Quantitative assessment for population status and development of management procedures for whales, seals, tunas, sea turtles, pelagic fish and ecosystems.
水産資源は,環境,他種との相互作用,漁業・混獲等の人為的要因などにより増減しますが,陸上の生物とは異なり直接観察することができず変動のメカニズムを理解することは容易ではありません.そこで北門研究室では,調査や漁業からの情報を集約し,数理的モデルとデータサイエンス手法に基づき,水産資源の持続的利用法を創造する科学が水産資源解析学です.また,適切な資源利用のための資源管理に関する研究も併せて行っています.理論的な研究の他,クジラ,マグロ,サンマほか様々な重要資源における問題解決にも臨んでいます.気候変動下における生物資源の持続的利用も大きなテーマとして掲げています.
鯨類の資源解析や管理の研究を行っています.とりわけ鯨類資源の資源量,資源動態の推定や,資源管理を中心的な研究領域としており,国際捕鯨委員会(IWC)科学委員会では,日本人として初めて議長を務めました.研究室では,ライントランセクト調査,遺伝子,写真などの情報を基に,鯨類の現存量推定,歴史的変動,生態系との関係,将来予測など,多角的な資源解析を進めています.大学院生や日本鯨類研究所の研究者と協力しながら,国内で唯一,本格的に鯨類資源管理を研究できる環境を整えています.鯨類資源研究に興味がある方は,ぜひ気軽にご相談ください.
世界に広域域分布回遊するまぐろ類の資源動態モデリングや資源評価,そしてこれからの気候変動の下で将来どのように分布が変化するか,今後の様々な変化を考慮してどのように持続的にまぐろ類を管理していけばよいか,これらの大問題について教育研究を行っています.2025年までの6年間インド洋まぐろ類委員会(IOTC)の科学委員会で議長を務め,インド洋のまぐろ類資源評価と管理の舵取りをしてきました.現在も大学院生達や共同研究者と共に,熱帯まぐろ及び温帯まぐろを中心に研究を行っています.マグロ類資源研究に興味のある方,ぜひトライしてみて下さい!
以前は日本の沿岸資源と位置づけていたサンマも,今や国際資源として国際資源管理機関である北太平洋漁業委員会(NPFC)の下で管理されています.そのNPFCにおいて,サンマに特化したサンマ科学小委員会および資源管理方策評価法(MSE)作業部会が設置され,両会議の議長として,カナダ,中国,台湾,韓国,ロシア等の研究者と共にサンマの資源評価及び資源管理手法の議論を取り纏めています.予測の難しいサンマ資源ですが,難しいことをチャレンジと捉え,本研究室の大学院生もサンマ研究に取り組んでいます.
かつての乱獲により希少種として位置づけられていたウミガメも,種によっては個体数が回復してきているが,一方でウミガメの摂餌行動により,海藻藻場の崩壊が生じている水域もあります.個体群の保全はもちろん最重要ではあるものの,藻場に生息する種の生態系やそこで営まれる漁業とのバランスを維持することも重要な課題となります.研究室では,小笠原および沖縄の科学者と協力して,ウミガメ動態モデリング,産卵回帰間隔,成長様式などの科学的研究を実施しています.ウミガメの数量的研究に興味のある方の加入を心待ちにしています.
北海道に生息するゼニガタアザラシや来遊するトドを対象として,資源評価と保全・管理に関する研究を進めています.両種は保護政策により資源状態が回復してきましたが,漁業被害との両立が新たな課題となっています.ゼニガタアザラシについては,科学委員会において資源動態や疫病リスクを考慮した解析を行い,環境省レッドリストの見直しに科学的根拠を提供してきました.現在は,漁業被害を踏まえた管理方策の検討を継続しています.トドについても資源評価と管理方策の検討を行い,行政による管理方針策定に寄与してきました.今後も,資源の持続性と漁業との調和を図るため,科学的知見に基づく管理手法の構築を進めていきます.
特別天然記念物である希少種オオサンショウウオ,そして東南アジアの熱帯ウナギ,スリランカのナマコ,台湾のタチウオ・シイラ,海洋浮遊ゴミなど,データとモデリングを通して,個体数,資源状態,資源管理に関する方法論を創造し,答えを生み出していく,研究を幅広く実施しています.